卒業生として初の法学部専任教員に。海外の法整備支援にも携わる

法学部 野澤 正充教授

2024/08/21

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

法学部法学科の卒業生で、法学部の野澤正充教授にお話を伺いました。

法律との出合いは、立教小学校6年生の時。最高裁判所を見学した際に、同級生から「野澤は将来こういう所で働くと良いのでは」と言われ、その言葉がずっと頭の片隅に残っていました。中学入学後は地歴研究部に入り、民俗学に没頭。柳田國男の著作集を読み、研究の面白さに目覚めました。

大学では法学部に進学して、1年次に、後に指導教員となる淡路剛久先生に出会いました。当時、水俣病などの公害事件が社会問題となっており、先生はその頃、民法(不法行為法)の大家でした。初めて受けた授業が印象的で「この先生とは、ずっと縁があるに違いない」と感じたことを覚えています。

※淡路剛久:名誉教授。元法学部教授。

パリ第2大学にて

大学を卒業して2年後に司法試験に合格。淡路先生の勧めもあって、1993年4月に卒業生として初めて法学部の専任教員になりました。転機となったのは、1996年からフランスのパリ第2大学で客員研究員として在外研究を行った2年間です。2006年からは法務省が行う海外法整備支援事業への協力で、ラオスの民法整備に携わることに。ラオスは旧宗主国がフランスであったことからこれまでの知識が役立ち、延べ12年の協議の末に民法典が完成しました。フランスやラオスとの関係を築くことができた経験は、研究者として得難いものだったと感じています。

2021年からは弁護士としての実務も開始。実社会で民法がどのように運用されているかを知る貴重な機会となっています。もう一つ注力しているのが法教育です。法務省の取り組みで中高生向けの教材を作成したり、立教セカンドステージ大学などで社会人向けの講座を担当したりしています。

法学は知識、と思われがちですが、社会で起こった問題を論理的に思考する訓練として役立ちます。そして、その人の社会の見方を変え、人生を深く考える姿勢を育んでくれるかもしれません。そんなきっかけづくりに関わっていきたいと考えています。
『立教大学校友会報 No.465』より抜粋しています。
インタビューの全文は、校友会Webサイトでご覧いただけます。

プロフィール

PROFILE

野澤 正充

立教小学校、立教中学校?高等学校卒業。1983年法学部法学科卒業。1985年司法試験合格。1991年法学研究科民刑事法専攻博士課程後期課程単位取得退学。博士(法学)。1991年立教大学助手、専任講師、助教を経て、2002年より現職。1996年から2年間、パリ第2大学で客員研究員を務めたほか、JICAの依頼の下、2012年からラオスの民法制定に関わる。

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